陸上男子棒高跳びの絶対王者、アルマンド・デュプランティス選手(スウェーデン)は、しなやかな体とスプリンター並みの助走スピードを武器に、これまで世界記録を何度も塗り替えてきました。現世界記録はかつて“鳥人”と呼ばれたセルゲイ・ブブカ氏の記録を大きく超え、20代半ばにして陸上界の頂点に立つ存在です。
そんな彼には意外な惹かれた相手がいます。それがメジャーリーグで二刀流として活躍する大谷翔平選手です。
デュプランティス選手のプロフィール
- 氏名:アルマンド・グスタフ・“モンド”・デュプランティス(Armand Gustav “Mondo” Duplantis)
- 生年月日:1999年11月10日(25歳)
- 出身地:アメリカ合衆国ルイジアナ州ラファイエット
- 国籍:スウェーデン・アメリカ合衆国(2重国籍)
- 身長/体重:181cm/79kg
- 所属クラブ:ウプサラIF
- 自己ベスト:屋外6m29(世界記録)、室内6m27(世界記録)
- 野球との関わり:兄アントワン氏は米大学野球で活躍し、MLBドラフト指名経験あり。その影響もあり、大谷翔平選手のファンであることを公言しています。
- 公式SNS:X(旧Twitter)、インスタグラム
デュプランティス選手の主な成績
[オリンピック]
- 2024年パリ:金メダル
- 2020年東京:金メダル
[世界選手権]
- 2025年東京:金メダル
- 2023年ブタペスト:金メダル
- 2022年オレゴン:金メダル
- 2019年ドーハ:銀メダル
[世界室内選手権]
- 2025年南京:金メダル
- 2024年グラスゴー:金メダル
- 2022年ベオグラード:金メダル
家族もスポーツ選手のアスリート一家
デュプランティス選手の家族は、それぞれがスポーツ選手の経験を持つアスリート一家です。なお、2人の兄と1人妹がおり、本人は三男になります。
父:グレッグ・デュプランティス(Greg Duplantis)
アメリカ人の元棒高跳び選手で、現在は三男のデュプランティス選手のコーチも務めています。
母:ヘレナ・デュプランティス(Helena Duplantis)(旧姓Hedlund)
スウェーデン人の元七種競技および元バレーボール選手です。
長男:アンドレア・デュプランティス(Andreas Duplantis)
棒高跳び選手で、2009年世界ユース選手権大会および2012年世界ジュニア選手権大会でスウェーデン代表として出場しています。
次男:アントワン・デュプランティス(Antoine Duplantis)
高校で棒高跳びを辞めて野球を始めました。ルイジアナ州立大学在学中に、チーム史上最多安打記録を更新した彼は、2019年のMLBドラフトでニューヨーク・メッツから12巡目で指名され、現在はマイナーリーグで外野手として活躍しています。
この兄の影響か、三男のデュプランティス選手も野球好きであり、これが大谷翔平のファンになるきっかけになったのだと思います。
妹:ジョアンナ・デュプランス(Johanna Duplantis)
棒高跳び選手として活躍しています。
大谷翔平選手のユニホームを購入するほどのファン
デュプランティス選手は東京五輪中のインタビューで、「彼のユニホームを買ったんだ」と笑顔で語っています。大谷選手が日本プロ野球からMLBへ渡り、投打の二刀流を貫きながら進化を続ける姿に強く惹かれたそうです。
そこでは「他の人が不可能だと思っていることをやってのける人が好きです。大谷選手はそれを実現しています。自分も陸上で同じことを成し遂げたいです。」と話しています。
この言葉からも、大谷選手の挑戦がデュプランティス選手の競技人生に刺激を与えていることがわかります。
共通する“限界突破”の精神
棒高跳びは、助走スピード、タイミング、空中姿勢、そして精神力が高度に融合した競技です。デュプランティス選手は常に「次はもっと高く」という限界突破の精神で挑み続けています。その姿勢は、大谷選手が二刀流で前人未到の記録を狙い続ける姿と重なります。
競技こそ異なりますが、両者は「常識を覆す挑戦者」という点で共通しています。大谷選手が野球界で壁を破ったように、デュプランティス選手も棒高跳びの歴史を塗り替え続けています。
6m30cmを跳んだ!自らの記録を更新して世界新!
2025年9月に東京で開催されている世界陸上では6m30cmを跳び、見事に自らの世界記録を更新しました。2回の跳躍を失敗した状態でしたが、最後の3回目で成功しています。
まとめ
デュプランティス選手と大谷翔平選手は、一人は空へ、一人はフィールドへと舞台は違えど、「不可能を可能にする」という同じ哲学を持つアスリートです。デュプランティス選手が大谷選手から受けた刺激は、これからも棒高跳び界の進化を加速させるに違いありません。また、東京での世界陸上で自らの世界記録を更新したことにより、これからの最強鳥人の挑戦に目が離せません。